のんのんびより 宮内れんげの夢説

 ダム開発によって水底に沈んだ故郷。

 故郷を失い、友と離れ離れに。

 同じ頃、両親が急死。

 転校先の学校では、訛りをバカにされ、いじめの対象に。

 大切なモノを次々に失い、現実に絶望した宮内れんげは、深い眠りに落ちる。

 彼女はそこで『夢 -のんのんびより-』 を見る。

 

 「――ここには、うちの大切なモノが、全部あるのんな。」

 

宮内れんげの両親が姿を現さない理由

 『会いたいけれど、会えない』という状態が、『のんのんびより』の世界に反映された結果、『存在はしているが、会うことはできない』という状態となったと考えられる。

 友人たちは村が無くなったことで離れ離れになっただけであり、物理的に会うことが不可能なわけではない。しかし、両親はこの世界からいなくなってしまっている。この違いが、『のんのんびより』という世界にも反映されているのであろう。

 

越谷卓の曲げわっぱ制作に込められたメッセージ

 越谷卓が曲げわっぱを作っていたのは、『この世界はこの曲げわっぱのような環となりループしている』というメッセージであると考えられる。

 

宮内れんげか小学1年生なのに掛け算を一瞬で理解した理由

 現実では既に掛け算を学習し終わっている年齢であり、その記憶の中から掛け算の方法が呼び起こされたため、一瞬にして掛け算を理解したと考えられる。

 

アニメ2期が1期の続きではなく、補完的な位置だった理由

 宮内れんげは現実世界の『変化』によって様々なモノを失った。故に『のんのんびより』に宮内れんげが望むものは『不変』である。このことから、2期は1期の『続き』ではなく『補完』であったと考えられ、今後3期が制作されたとしても、それは『続き』ではなく『補完』となるであろう。

 

こだまことだま』の歌詞から観る、『のんのんびより』の世界

 あの子が笑う 無邪気に笑う 夢を見る:

 宮内れんげが『のんのんびより』という夢を見ていることを示している

 

 何回もくり返す そのたび涙する:

 『のんのんびより』という世界が同じ1年を繰り返していること、その繰り返しの世界から現実に戻らない宮内れんげを見て涙する者がいるということを示している

 

『おかえり』の歌詞から観る、『のんのんびより』の世界

 ここは世界一優しい おかえりが待ってる場所:

 宮内れんげの望む場所、つまり村のみんながいる場所、それが『のんのんびより』であるということを示す

 

 いつも変わらない愛しさが 出迎えてくれる場所 ほら また季節が歌ってる:

 『変わらない愛しさ』、『また季節が』というワードから、『のんのんびより』という世界が不変でありループしていると推測できる

 

 遠くで聞こえるよ 「帰っておいで」:

 『遠く』は現実を示し、『帰っておいで』は現実で宮内れんげの目覚めを待つ人達の祈りを示す

 

まとめ

 上記の妄想から、のんのんびよりは、現実に絶望した宮内れんげが創りだした夢空間での出来事であり、その世界は1年でループしていると考えることが十分に可能である。彼女をのんのんびよりから連れ出すことと、このまま眠らせ続けること、どちらが幸福であるか、我々は考えながらこの作品と向き合わなければならない。