『枯れない世界と終わる花』 雑記

プレイと並行して書きなぐり。

 

コトセの話

コトセの”悲しみ”という感情を取り戻し、天使の役割から開放させるために、”大切な人との別れ”が必要だった。その”悲しみ”を発露させるシチュエーションとして、”マヤが消されること”が使われるわけだが、これはどうなんだろうなあと思ってしまった。

マヤの願いとしては筋が通った話だけど、ショウサイドとして考えると、マヤの願いにおんぶにだっこ、受け身のままコトセを開放に持っていくという感じがして、自分の思う主人公的行動ではないなぁと思った。

 

ユキナの話

幼少期の”信じなければ裏切られない”という信条を捨てて、ショウ(親役のほう)たちを信じるという選択をするが、結局ショウは姿を消し、ユキナは物事に強く”諦め”を抱くようになる。羽を取り除くには本人の意思が必要なので、ユキナの強い諦めの心持ちをどうにかする必要があった。で、諦めを抱く原因となった”親の裏切り”が勘違いであることを教えることで、諦めの感情を崩し、希望を願わせる状態にした。

…で、この流れに至るために、アカリさんが消される必要があったのか。別にアカリさんとの別れをきっかけにしなくても、ショウが真実を伝えるための流れは作れたんじゃないかと思う。コトセに続いて、やっぱりショウはどこか受け身だなあと思った。

 

 ハルの話

ショウ(アキト)が何故今の状況になっているかについては、まあ予想通りだったので割愛。

アキトとの約束を守ることと、羽を渡さないという意思がなぜ繋がるのかが理解できなかった。何か読み落としたか、読み込みが足りないか。

 

レンの話

アキトが最後のまで「犠牲の要らない世界」に自分自身の犠牲というものを含めていない、犠牲のない世界のために犠牲を出すという矛盾。アキトがここまで自己犠牲に囚われているのは、ショウを失い、コトセ・ユキナ・ハルの記憶から自身が消え、求めてくれる人が消えてしまったからかなあと思う。…レンはアキトを求めてくれていたと思うんですけど、彼女一人じゃ足りなかったか、という考えは彼女が可哀想すぎるが、そういう思考に至ってしまう。

 

ED

世界の意思としても、世界をどうにかしたいという思いはあったが、何を試してもうまくいかなかった。そこにアキトが現れ、最後の望みを託した。レンのような存在を作り出せる、羽を奪う役目を与えられるなら、アキトの願いがなくても初めから世界の再構成は世界自身の意思で可能だったのでは?と思ったが、羽の所持者本人が、それを手放す意思を示さなくては羽を取り除けないという縛りがあり、世界そのものの意思では、それを超えることができなかった。そこを超えるためにアキトが必要だった、と考えれば納得できる。

アキトは自身の命を代償に世界を変えることを願ったわけだが、結果的にアキトは生き続けている(1回消えて戻ってきたか?)。なら最初からそんな代償いらなかったのでは?というかそもそも、世界の意思とアキトの願いは一致しているわけだから、アキトが代償を払う必要すらないのでは?世界のルールと世界の意志は別なのだろうか。この2つが別個のものなら、ルールとして代償が必要というのは、まあ筋が通るか。では、結果的にアキトが生きていることについてはというと、代償を払って犠牲のない世界というものに世界そのものが変わったので、世界のルールも変わり、世界の意思として、アキトを生き返らせることができた(アキトも生きることを望んでいたし)、と考えることはできるか。

 

その他:全体を通して感じたこと

誰も犠牲にならない世界を臨みながら、コトセ・ユキナの羽を取り除くためには犠牲を払い、また自身も犠牲になって構わないというスタンスは矛盾なのではないか。アキトの自己犠牲精神についてはレン部分で記述した通りなので、ある程度納得はある。

前者について考えてみると、まず「こんな世界間違ってる。俺が変えてやる。」的なアキトの意思は、その根底に「自分の家族を救いたい」という願いがあって成り立っており、つまり正確なアキトの意思は「家族を守るために世界を変える。」ということになる。ここでいう世界は、広義的な、物理的な意味で言う世界ではなく、アキト自身が感じている小さな世界(自身と家族を中心としたもの)である。よってアキトの臨む「犠牲のない世界」とは「生きている誰もが犠牲にならない世界」ではなく「自分の家族が犠牲にならない世界」を指す。こう認識することで矛盾は解消する。

 

全体感想

世界構造についての説明が浅く、その部分について思考を巡らせることが多かった。

シナリオは先が読みやすく特段感情を揺さぶられることはなかった。

キャラクターとしてはレンの表情豊かさに心癒されることが多々あった。本作で最も魅力と感じられる部分といえる。CV秋野花による「ぎゃらくてぃかろーりんぐぱんけーき」が本作のピーク地点と言っても過言ではない。

 

以上